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一足早いバレンタイン Nikon Z 8の新ファームの噂は正しかったのか徹底検証

Nikon Z8
目次

Nikon Z 8の新ファームの噂は正しかったのか

ニコンからNikon Z 8の新ファームが公開されました。ニコンのミラーレスカメラ、Nikon Z 8の新ファームウェアがリリースされました。今回は、以前から囁かれていた新ファームの様々な噂が、実際に新ファームウェアでどれだけ反映されたのかを検証してみます。

新ファームには多くの機能が追加されていて、海外などでは一足早いバレンタインプレゼントとして話題になっています。ニコンはNikon Z 9でも様々なアップデートを提供していて、Nikon Z 8でのその姿勢を見せていることから、既存のユーザの安心感にもつながっているようですね。

さて、これまでNikon Z 8とNikon Z 9に関する新ファームの噂がいくつかありました。今回は、その噂が正しかったのかどうか検証してみたいと思います。

最近まで、噂されていたNikon Z 8/Z 9の新ファームの変更内容は以下の通りになっています。

Nikon Z 8の新ファームの噂

将来に登場するはずのファームウェアによるアップデートされる機能をカバーするファームウェアロードマップを受信した。この情報の正確性については確信が持てないため、これを噂として扱って欲しい。

  • RAWでの4500万画素30コマ/秒連写
  • 連続撮影速度の切り替え。Jpeg撮影のみで自由にC30モードとC120モードを切り替えできる
  • プリキャプチャ機能のRAW対応
  • フルサイズでのC60連写モード。60コマ/秒で動作し、各ショットは4500万画素、その後に1100万画素の2ショットをループして撮影。高解像度と決定的な瞬間を捉える可能性のバランスをとった十分なフレームレート
  • N-RAW用にLogC4に非常に近い新しいログカーブが生成され、エンコーダ効率を最大化し、センサーのオリジナルの色空間を記録する
  • 8.3k 120pの連写動画モード。撮影は2.5秒のみ。静止画と同じ高速読み出しモードを使用する
  • アナモルフィックレンズ対応。フルサイズ4500万画素 Open Gate 3:2 30fps RAW動画撮影を提供。1.33倍、1.5倍、1.6倍、1.8倍、2倍のデスクイーズ表示機能をサポート

噂を検証

というわけで、これが実際に発表された新ファームの変更内容と比較してどうなのか確認してみましょう。

Nikon Z 8/Z 9新ファームの噂の検証結果
  • RAWでの4500万画素30コマ/秒連写
    • × 搭載されていない
  • 連続撮影速度の切り替え。Jpeg撮影のみで自由にC30モードとC120モードを切り替えできる
    • × 変更なし
  • プリキャプチャ機能のRAW対応
    • × 対応していない
  • フルサイズでのC60連写モード。60コマ/秒で動作し、各ショットは4500万画素、その後に1100万画素の2ショットをループして撮影。高解像度と決定的な瞬間を捉える可能性のバランスをとった十分なフレームレート
    • × 連写モードに変更なし
  • N-RAW用にLogC4に非常に近い新しいログカーブが生成され、エンコーダ効率を最大化し、センサーのオリジナルの色空間を記録する
    • × 新しいログカーブの生成はない
  • 8.3k 120pの連写動画モード。撮影は2.5秒のみ。静止画と同じ高速読み出しモードを使用する
    • × 新しい連写動画モードの追加はない
  • アナモルフィックレンズ対応。フルサイズ4500万画素 Open Gate 3:2 30fps RAW動画撮影を提供。1.33倍、1.5倍、1.6倍、1.8倍、2倍のデスクイーズ表示機能をサポート
    • × 対応なし

上記のように、これまで噂されていた新ファームで変更される内容については、すべて当てはまっておらず、実際にはすべてハズレであることがわかります。筆者が見逃しているだけの可能性もありますので、ご指摘いただければ嬉しいです。

ただし、この噂はNikon Z 8、Nikon Z 9の噂としてでてきたものです。実際にはNikon Z 9の次期新ファームで更新される内容であるかもしれないので、それを記憶しておく必要があると思います。また、上記の内容がNikon Z 9に反映されたとしたら、そのままNikon Z 8にも搭載される可能性もあるかもしれません。

しかし、現時点ではNikon Z 8への変更内容としては、上記のような結果として判断したいと思います。いつか搭載されるときが来るのでしょうか?

さらに「ニコン決算報告 販売好調のZ 8/Z fが牽引し前年比で映像事業増収を予想」ではニコンの映像事業が好調になっていることについて詳しくお伝えしています。

Nikon Z 8新ファームの変更内容

■ 静止画撮影関連

  • [静止画撮影メニュー]に[ピクセルシフト撮影]を追加しました。
  • ピクチャーコントロールに新しい項目を追加しました。
  • [静止画撮影メニュー]>[AF 時の被写体検出設定]に[鳥]を追加しました。
  • 拡大表示の倍率を、最大 400% まで拡大できるようになりました。
  • [静止画撮影メニュー]に[オートキャプチャー]を追加しました。
    キャプチャー条件としてモーション、距離、被写体検出を設定し、設定した条件でカメラが被写体を認識すると自動で連続撮影を行います。
    ※ キャプチャー条件[距離]は NIKKOR Z レンズ装着時に使用できる機能です。NIKKOR Z レンズ以外のレンズを装着している場合、動作しないことがあります。
    ※ 撮像範囲は[FX(36×24)]または[DX(24×16)]が使用できます。
  • [ハイスピードフレームキャプチャー +]撮影時にプリキャプチャー機能を使用する場合に、プリキャプチャー機能がキャンセルされるまでの時間が 30 秒から 300 秒に延長しました。
  • [静止画撮影メニュー]>[副スロットの機能]で[JPEG+JPEG 分割記録]選択時の画像サイズ設定に[サイズ L]を追加しました。
  • オートブラケティング撮影時に選択できる補正ステップ幅を追加しました。
    ※ [オートブラケティングのセット]を、[AE・フラッシュブラケティング]、[AE ブラケティング]、または[フラッシュブラケティング]に設定している場合です。この変更は、[インターバルタイマー撮影]>[オプション]>[AE ブラケティング]>[補正ステップ]にも適用されます。

■ 動画撮影関連

  • ピクチャーコントロールに新しい項目を追加しました。
  • [動画撮影メニュー]>[AF 時の被写体検出設定]に[鳥]を追加しました。
  • 拡大表示の倍率を、最大 400% まで拡大できるようになりました。
  • [動画撮影メニュー]に[オートキャプチャー]を追加しました。
    キャプチャー条件としてモーション、距離、被写体検出を設定し、設定した条件でカメラが被写体を認識すると自動で連続撮影を行います。
    ※ キャプチャー条件[距離]は NIKKOR Z レンズ装着時に使用できる機能です。NIKKOR Z レンズ以外のレンズを装着している場合、動作しないことがあります。
    ※ 撮像範囲は[FX]または[DX]が使用できます。
  • N-Log 動画撮影時、[ISO 感度設定]>[M モード時の ISO 感度]に低感度を追加しました。
  • ハイレゾズーム速度の設定内容を変更しました。
  • スローモーション動画機能を追加しました。

■ 再生関連

  • 動画再生時の i メニュー項目に[再生の速度]を追加しました。
  • [再生メニュー]に[縦横位置情報の記録]を追加しました。
  • [再生メニュー]>[グループ再生の設定]に[自動連続再生の設定]を追加しました。
  • 再生時の i メニュー項目[送信指定(PC)]、[送信指定(FTP)]の機能を変更しました。また、同メニュー項目に[優先送信指定(PC)]と[優先送信指定(FTP)]を追加しました。

■ 操作関連

  • [カスタムメニュー]の d18 と g17 に[半押し拡大解除(MF)]を追加しました。
  • [カスタムメニュー]> a11[フォーカスポイント表示]に[フォーカスポイントの太さ]を追加しました。
  • [セットアップメニュー]の[カード初期化(フォーマット)]で物理フォーマットの手順を変更しました。
  • 撮影機能設定の呼び出し中に露出補正とホワイトバランスの設定の変更が可能になりました。
  • レンズのパワーズームに対応しました。
  • [カスタムメニュー]に d5[露出ディレーモード]を追加しました。
  • 以下の[カスタムメニュー]に割り当て可能なボタン、割り当てられる機能を追加しました。また、設定のリセット機能を追加しました。
  • f2[カスタムボタンの機能(撮影)]
  • f3[カスタムボタンの機能(再生)]
  • g2[カスタムボタンの機能]
    ※ [ピント位置優先]と[ピント位置(顔優先)]は、f3[カスタムボタンの機能(再生)]>[メインコマンドダイヤル]または[サブコマンドダイヤル]>[画像送り時の拡大位置]で設定可能です。
    ※ f3[カスタムボタンの機能(再生)]>[メインコマンドダイヤル]または[サブコマンドダイヤル]>[画像送り]の設定が、拡大再生中の画像送りにも適用されるようになりました。
  • [セットアップメニュー]の[レンズ情報手動設定]の機能を変更しました。
  • IPTC プリセットの[Category]で登録できる最大文字数を 3 文字から 256 文字に変更しました。
  • [セットアップメニュー]の[電子音]のメニュー構成を変更して、電子シャッター音の音量や音の種類を選べるようになりました。

■ 表示関連

  • マニュアルフォーカス撮影時に表示されるフォーカス距離指標に距離表示機能を追加しました。
  • [セットアップメニュー]の[ファインダー表示サイズ(静止画Lv)]を[ファインダー表示サイズ]に名称を変更し、動画モードや再生モードにも適用されるようにしました。

■ ネットワーク関連(NX Field にも関連)

  • ATOMOS AirGlu BTと接続時、接続が切断したとき、または接続が不安定なときに警告表示を行うようにしました。
  • リモートグリップ MC-N10 と ATOMOS AirGlu BT の併用が可能になりました。
  • [ネットワークメニュー]の[FTP サーバーと接続]に機能の変更と追加をしました。
  • 連動レリーズモードの設定方法を変更して、登録できるグループ数を 20 に増やし、グループ内でマスターカメラから制御できるリモートカメラの台数を 16 台に増やしました。
  • [ネットワークメニュー]の[カメラと接続]に[著作権情報の上書き]を追加しました。
    ■ アプリケーション関連
  • NX MobileAir との組み合わせで機能を追加しました。
  • カメラの静止画ライブビューに NX MobileAir の状況を表示する様にしました。
  • カメラの[メニュー設定の保存と読み込み]でメモリーカードに保存したカメラの設定データをスマートフォン(NX MobileAir)に保存したり、スマートフォンからカメラのメモリーカードに送信したりできる様にしました。

■ その他

  • [静止画撮影メニュー]の[静止画フリッカー低減]を[ON]に設定した場合、シャッターをきるときに撮影画面が一瞬暗くなりますが、暗くなる時間を短縮しました。
  • [3D- トラッキング]において、[AF 時の被写体検出設定]で[オート]、[人物]、[動物]、[乗り物]を選択し、かつ被写体が検出できていない場合における小さく動きの速い被写体の捕捉精度を向上しました。
  • 低速連写でフリッカー検出時の AF ロックオンを改善しました。
  • これら以外のオートフォーカスの動作や安定性も改善しました。
  • [ファインダーの明るさ]が[オート]の時に再生モードのファインダー表示が暗くなる場合がある現象を改善しました。
  • インターバル撮影において、輝度差のあるシーンや、スターライトビューを使うような暗いシーンでも 1 枚目から適正露出で撮影されやすくなりました。
  • スターライトビューが ON の時は、ヒストグラムを表示しないようにしました。
  • 動画記録可能な残り時間が少なくなった場合の警告表示を、残り時間が 1 分未満のときに残り時間表示部が赤背景に白文字となるよう変更しました。また、動画記録中でない場合でも警告表示が出るようにしました。
  • 動画の再生画面で、タッチ操作によるプログレスバーの再生位置変更時により細かく送れるように改善しました。
  • [AF エリアモード]が[3D-トラッキング]に設定され、かつ人物が大きく写っている場合、AF エリアの近くに瞳の検出枠があるときは、AF エリアに近い瞳を優先してピントを合わせるようにしました。
  • [カスタムメニュー]のd11[赤色画面表示]で、[表示モード1]或いは[表示モード2]に設定しているときの RGB ヒストグラム表示を見やすくしました。
  • 以下の不具合を修正しました。
  • インターバルタイマー撮影で撮影した画像の露出がアンダーになる場合がある。
  • フラッシュ発光を行いながらフォーカスシフト撮影を行うとフラッシュが発光しない場合がある。
  • WR-R10 を装着しながら USB 給電を行っている状態で半押しタイマーオフの状態から復帰したとき、ピントの位置が[フォーカス位置の記憶]で設定した位置に戻ってしまう。
  • 連写やフォーカスシフト撮影を行った際に露出が正しくない場合がある。
  • [モニターモード]が[ファインダー優先 2]に設定されていて、かつ[AF-ONボタン]に[再生]が割り当てられているとき、AF-ON ボタンを押すと画像の再生がすぐ終了する。
  • シャッタースピードを[Bulb]に設定したとき、シャッターボタンを押しても撮影されない場合がある。
  • [AF エリアモード]が[3D-トラッキング]に設定されているとき、タッチシャッターを[フォーカスポイント移動]にしてタッチ操作を行うと、マルチセレクターやサブセレクターによるフォーカスポイントの移動ができない。
  • [AF エリアモード]を[ワイドエリア AF(S)]、[ワイドエリア AF(L)]、[ワイドエリア AF(C1)]、[ワイドエリア AF(C2)]のいずれかに設定していると、被写体を検出している時にセットアップメニューの[AF 微調節の設定]で設定した微調節量が反映されない。
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コメント

コメント一覧 (6件)

  • NRの直前のリークではNikon Z 8やZ 9に新ファームと言ってましたが実際にはZ8のみでした。実はCP+後にZ9にも追加ファームが来るとかありますかね。
    個人的にはAFエリア循環設定が早くZ9にも欲しいです。

  • 自分はZ9使いだが、ファームウェアの提供は、有償でいいと思う。
    ただし、不具合修正はメーカーの責任だから無償で、機能追加や性能アップは
    付加価値と同じだから、有償にする。
    メーカーの収益確保のため、Nikonは、試験的にでもやってみたらどうだろうか。
    もし商売になるとわかれば、他メーカーも追従すると思う。

    • 有償化、大反対ですね。
      まず新ファームを出す際に有償の項目と無償の項目を分けて別のタイミングで出す必要が出てきます。そしてその度にバグのリスクが発生する。

      ニコンが有償に切り替えた所で各社の姿勢は変わらないでしょう。むしろニコンは手厚いファーム実装を一つのセールスポイントと考えているでしょうし、これを有償にすれば一度無償になっていたものをなぜ有料にする?とそれこそ批難が出るでしょう。

  • 噂は噂で楽しむくらいがちょうど良いですね。
    海外サイトの噂に惑わされて、批判したり、叩いたりは健全な噂の楽しみ方ではないです。
    余裕をもって楽しくです。

  • ファームウェアによるアップデート情報は気楽に楽しめば良いと思います。

    将来の機能追加に関するファームウェアについては有償が良いのかなと思います。
    メーカーにより異なるかも知れませんが購入後のファームウェアの
    アップデート費用は新品価格に含まれていると思われ自分で使わない機能に
    関しても費用を払っていると思います。
    要はパソコンのアプリケーションと同じような扱いにして自分で必要な
    機能(ファームウェア)は別途購入が良いと思います。
    いずれメーカーが利益を出すためにはそうせざるを得ないでしょう。
    良い点としてはカメラはベーシックな機能のみで価格が安くなると思われます。
    本体価格が2割ぐらいは下がるでしょう。(想像ですが)
    ※不具合修正はメーカー責任で無償です。

  • ファームアップ有償化、無償化については各社の都合と市場の反応に合わせて判断でしょう。

    ニコンの場合はラインナップをミニマムにして一つのボディを長く売りたいという思惑があっての無償ファームアップでしょう。レンズでも儲けが出せる強みもあるでしょう。

    ソニーはカスタムグリッドラインライセンスを有償にする計画があるのでこれの反応が良ければカメラ業界にファームアップ有償化の流れが出来るかもしれません。

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