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ニコンとRED社が特許訴訟から子会社化へ 映像業界に考えられる影響は??

Nikon Z
目次

ニコンがRED社を子会社化

名だたるメーカーとの特許争いでも勝利を収めたRED社の力強いテクノロジーと、その技術がニコンの手に渡ることで業界にどのような変化をもたらすのでしょうか?

当サイトでもお伝えした通り、ニコンが米国のシネマカメラを製造、販売しているRED社を子会社化することが明らかになりました。

RED社は、ニコンのNikon Z 9のN-RAWで採用されている圧縮RAW内部記録に関する技術で、RED社の特許を侵害したとしてニコンを提訴していました。その後、両社は何かしらの合意をして、この訴訟は取り下げられ、いまもNikon Z 9、Nikon Z 8ではN-RAWが採用されています。

特許に関して争っていたということで、RED社とニコンはいわば因縁の間柄と考えてもいいのかもしれません。

このRED社は一部ではパテントトロール、すなわち自らが所有してる特許権に基づいて大企業から巨額なお金を巻き上げることをしているのではないかと噂されていました。しかし、これには裁判で認められる必要があり、いくらどんなにゴネても正当性がなければ認められません。

一見するとRED社の主張には無理があるのに、なんでRED社の主張が認められるのかわからないという意見があったのも事実です。

しかし、RED社はニコンだけでなく、キヤノン、ソニー、アップルなどに対しても訴訟を起こし、それに対して勝訴したと言われています。以下は過去に当サイトで報告したRED社とニコンの訴訟に関しての記事になります。

  • Nikon Z 9の法廷闘争は予想通りの結末だった
  • REDとニコンは法定外で和解し、当事者の要求により訴訟は棄却された
  • つまりREDと技術移転や特許料など裏で合意があったことを意味する
  • REDとキヤノンの間の合意と同様の方法で行われるかもしれない
  • キヤノンは内部C-RAW記録を搭載している
  • REDは見返りにKomodoのRFマウントなど、キヤノンの技術を使用している
  • ニコンは将来のカメラにN-RAWを搭載しないという形で和解したのではないと思う
  • ニコンはN-RAWを継続することを明確にすべきかもしれない
  • REDは過去にソニーやアップルにも勝利している
  • REDは特許が通用しなくなったという理由で和解したのではないはずだ
  • ニコンの特定技術がREDのカメラに搭載されるかもしれない

このように、RED社は過去にソニー、アップルにも勝利しており、キヤノンとの訴訟でも、キヤノンにC-RAWを認めるかわりにRED社がキヤノンのRFマウントに関する技術を使用を許可されるというクロスライセンスを結んだのではないかと噂されていました。

このように特許に関して、名だたるメーカと争っていたRED社ですが、ニコンの子会社になることが明らかになりました。これは今後、どのようなことになることを意味しているのでしょうか?

各メーカとのクロスライセンスはどうなる?

ここで記述している内容は、あくまでネットで流れている情報を元にしていたものや、それを踏まえて想像しているもので、確実に正しい情報ではないことを、あらかじめご承知おきください。

まず、RED社が自社の技術に関して、ソニー、アップルに勝利したと言われています。ということは、その、ソニー、アップルに勝利した特許を所有しているRED社をニコンが子会社化したことになります。つまり、その特許をニコンは自由に取り扱うことができる立場になったことを意味しています。

またキヤノンに関してはC-RAWでRAW圧縮技術の使用を認めたかわりに、RED社はRFマウントの仕様を公開してもらい、RFマウントのシネマカメラを販売していると言われています。つまりRED社はRFマウントの仕様を知っているメーカである可能性があることを意味しています。

これらのことは、今後、どのようになる可能性があるのでしょうか?

RED社が保有する特許について、仮にRED社が他社に使用を許可している場合、その形態が問題になる可能性は考えられるかもしれません。例えば、年単位での更新が必要だとか、一定期間ごとに見直すということが必要になっているのであれば、今後、仮にニコンが他社の特許の使用は認めないとすれば、ソニー、アップル、キヤノンはRED社の特許を利用できなくなる可能性がでてくることになります。

もちろん、経営主体が変わったりした場合には契約内容の変更はできないという条文があったり、永年的に認められている場合には、他社に特許の使用を認めないように求めることは難しいかもしれません。

また、仮にRED社がキヤノンのRFマウントに関する仕様を入手していた場合、その仕様がニコンの手に渡るのかどうかといったことも問題になるかもしれません。もちろん契約には様々な条件があり、今回のような場合でもキヤノンのRFマウントの仕様がニコンに漏れるようなことはないようになっているのかもしれませんが、このあたりは不透明です。

逆に、ニコンはRED社を通じてRFマウント用のカメラを販売できる可能性があるとしたらどうでしょうか?もちろんニコンブランドでは無理だと思いますが、RED社ブランドでNikon Z 8のRFマウントバージョンを発売することが可能かどうかは検討する価値があるのではないかと思いますね。

というわけですが、ここまではあくまでネット上で噂されている内容をもとに考えた妄想で、完全に想像の産物です。実際にどのような契約内容になっているのかは不明ですし、実際にどうなるかはわかりません。ただ、いろいろ考えると複雑な状況になってきているのは間違いないのかなとは思いますね。少なくとも、筆者がソニー、アップル、キヤノンの関係者だったら、RED社との契約がどのようになっているのか、いまあわてて確認していることに想像に難くありません。

まさかのニコンによるRED社の買収ということになったわけですが、少なくともハリウッドなどに対してRED社を通じて、今後はニコンもシネマカメラを販売していくということになるのだろうと思います。今後の状況から目が離せませんね。

さらにニコン関連記事「Nikon Z 9が月面へ! NASAとニコンが協定締結 月で使用される初のミラーレス」ではNikon Z 9が月で使用されることについて詳しくお伝えします。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • まさに現代版『牛若丸と弁慶』なストーリー。界隈が面白くなってきそう…

  • 通常は相互ライセンスを結んでいる場合、競合メーカーに買収された場合の
    対処条項は含まれているはずです。
    もしも例えばRFマウントに含まれる秘匿条項がニコンに漏れた場合ニコン(RED)と
    キヤノンで裁判沙汰になるでしょう。
    ニコンとキヤノンが敵対関係になってしまうかもしれません。
    そうならないように通常は対処条項が含まれているはずです。

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